ニートが専門学校で新卒切符を買って半年で退職した話 – 生きる歯ごたえ

ニートが専門学校で新卒切符を買って半年で退職した話

新卒切符 庶民にとっては、一生に一度の大きな買い物ですよね。

大学卒業後、職歴にブランクが出来てから、もう一度学校に入り直して二度目の新卒を手に入れる。
この高額なギャンブルをやろうか迷っている方に向けて、私と友人の実例を紹介します。
(ちなみに全員医療系なので、医療系以外だとあまり参考にならないかもしれません)

逆学歴ロンダリング

大学4年間のトータルの学費(授業料+施設や設備の維持管理費+実験や実習にまつわる費用)は
国立大学約243万円、公立大学約255万円、私大文系約398万、私立理系約542万円
6年かかる私立医歯系だと約2357万円と桁違い。
参考 スタディサプリ進路|大学の学費はいくら?受験料、入学料、授業料を学びたい分野別にチェック!大学無償化も解説!

奨学金であれ、親の金であれ、そう何度も買えるものではなく、
「受験の合格」「卒業」もセットになる分、
一般的な一生に一度の買い物「家」を買うより難易度が高いかもしれません。

大学の新卒切符を複数回買えるセレブじゃない方でも、大学卒業後にニートになり、
「専門学校」に入学して2度目の新卒切符を手に入れたいと考える方は
一定数いらっしゃるかと思います。

いわば、学位を下げる逆学歴ロンダリングともいえる手法。

転職Hacks|学歴ロンダリングのメリット・デメリット

学歴ロンダリングとは、就活のために自身の出身大学よりレベルの高い大学院に進学することです。例えば、「偏差値58程度の私立大学の卒業生が、就活のために東京大学大学院に入学する」といった場合に使われます。

https://ten-navi.com/hacks/article-488-38022

就活のための進学って意味では同じですよね。
ちなみに、最終学歴としては学位の高い方(時系列では大卒後に専門卒になっても大卒)
だけを書くのは学歴詐称には当たらないそうです。

実際、私は大卒後に専門学校でニッチな医療系国家資格を取得しているのですが、
その業界以外では使い物にならないため、転職サイトに最終学歴登録する際は大卒にしてます。(だって格段に検索結果の件数および給料が違いますから)

Fランクでも大卒は大卒。ましてや国立四大なら使ってなんぼ。

1枚目の新卒切符を二束三文で売り飛ばした

Photo by thapanee srisawat on Unsplash

1枚目の新卒切符は、不慮の事故でリーマンショック後の大不況で使うハメになりました。
正規運賃で買った切符を二束三文で金券ショップに売る感じ\(^o^)/オワタ

2008年秋、マイナーな地方国立大学である母校では内定が出ない学生が続出。
民間企業の就活と教員採用試験を同時進行で進める猛者たちも疲れ切っていた。
知り合いにはいなかったけど、全国的には内定取り消しも問題になっていた。

内定が出ない実質的な就職浪人たちは
大学院に進学して先延ばし、計画留年、諦めてフリーター

ぶっちゃけ、この時ばっかりは短大や専門に進学してギリ就活売り手市場の時に
逃げ切り就職した同年代が死ぬほど羨ましかった。
四大に行ったばかりに自滅するなんてことあるんだな…。

この時の経験で、人間は努力ではなく社会情勢と生まれ持ったコネや金で人生が決まると悟った。
「いい大学に入ればいい会社に入れて人生安泰」
こういった思想がまだはびこっていたけど、これが嘘だと気づきながら
キラキラした学生を演じるのはマジで吐きそうだった。
夢も希望も本当はないのにね。

自己診断でアスペルガーを自称していた研究室の同期が卒論書けなくて留年してるのを見て、
実質的には計画留年かな?と疑いつつ
アスペルガーの自覚症状があった私も「今、診断受けたら逃げられるかも」と悩むも、
「最初で最後の新卒切符」のプレミアムを使わずに留年してたまるか!
と謎の闘志を燃やして無理くり就活していた。

私は成績優秀ではありましたが、社会不適合者感がにじみ出ていたので
大学でリクルートスーツ着て面接の練習なんかやってると
「似合わない」「就活コスプレ」と友人たちに笑われていた。

「面接だけだませばいいんだよ。」
飄々とこなしている風を装いながらぶっ壊れていた。

派遣でためた貯金で一発逆転を狙う

大学卒業後は新卒で正社員になったのですが、1年で鬱病発症して退職。
その後は実家に戻りフリーターや派遣を転々として、
ニート期間も年単位で挟まるボロボロの履歴書
28歳で「人生もういいかな…」と思って冥途の土産に知能検査受けたらASDの診断が下りました。

手帳取得後、一時は障害者雇用で就活していたのですが、地方はとにかく求人数が少ない。
さらに専門職の経験者採用か、低賃金の肉体労働かに二極化するため、かなりの無理ゲーの様相があった。
面接受けても「発達障害って何ですか?」「休憩時間は一人で過ごしたいって何言ってるんですか?」等ボロクソにけなされる。
「身体」か「知的」が欲しいって正直に書けよ。

で、苦肉の策として合わなきゃバックれ前提で、
派遣会社に障害をオープンにして受けたら事務職に採用されてしばらく働いてました。
(後に派遣先がイケハヤさんがまだ東京で消耗していた頃の関係会社と知ってクソワロタ)

働いてる期間も、暇さえあれば求人情報見たり、パソコンスクールでExcelの勉強したり、
「今のままじゃ這い上がれねえ!下剋上してやる」根性で常に消耗していました。
ニートが働いてるだけでもえらいのに、ブランクを取り返したくてしょうがない。

事務職みたいな誰かや組織をサポートするバックオフィス業務に対し、
「何も生産してないんじゃないか?」と焦りを抱いてしまう。
組織を回すという役割はあるのだけれど、若気の至りでそこに安住できない。

2枚目の新卒切符と国家資格

大学の学費より高くついた、学費約280万円をぶっ込んで、
専門学校で国家資格である歯科技工士免許を取得しました。

Photo by Diana Polekhina on Unsplash

何で歯科技工士だよ、アホか。
と、あの業界を知っている人は思うでしょう。
歯科医師>歯科衛生士>>>超えられない身分の壁>>>歯科技工士
医療系の底辺と言われる業界。

私も今、冷静になってからはアホかと思うんですが、入学したのがギリ20代末期。
やり直すなら最後のチャンスとばかりに全額ベット。ありがちな人生リセット願望。

地方住みだったせいもあり、非正規の賃金は時給1000円切ってるのはザラ、やってられん。
正社員の身分を買うために、高い離職率というリスクを取ってでも「常時人手不足の職種」を選んでいた。

こんなゴミクズ職歴の私でも金で新卒切符と正社員の身分が買える!
完全に正社員信仰の呪い。

派遣時代の貯金と在学中にバイト掛け持ちしても足りず(地方なので時給が安いよ!)
2年目の後期はカツカツだったので母親に援助してもらう子供部屋おばさん\(^o^)/

親に援助してもらうのは恥ずかしさも申し訳なさもゴリゴリにあったのですが、
奨学金を借りずに済んだのは、安い給料が確定している職種
に就職する人にとってはかなりのメリット。

離職率が極めて高く(3年以内に7割辞めると言われる)、
給料が上がりにくい職種に就く学生って返済能力低いはずなんだけど、
それでも奨学金のローン組める世の中の仕組みが詰んでるわ。そもそも学費高けえんだわ。

学校は風俗街の近くにあって、最寄りのスタバに行くには風俗街を抜けて行くのだけど
「次、仕事やめたらこの業界に堕ちるかね…」とシビアに思っていました。

「何者かになりたい」×「人生リセット願望」

自己投資?のつもりの悪あがきの結果は、就職後鬱病再発で半年で退職というハイリスク損切り!

分かっちゃいたけど、底辺特有の人間関係の悪さ、新卒ばかりの同期、やり直しのできない作業、分業制による前工程と後工程に挟まれる焦りやら何やらで早急に自滅。
(1ケースを全行程1人で担当する会社や、やり直しのきくCAD専門要員ならちょっと違ったかもしてません。)

退職後は事務職に舞い戻ったので国家資格は紙切れと化しています笑
時給換算すると今の方が給料高いし、あの280万円は何だったんだろう状態。

正直、実家で子供部屋おばさん続けながら派遣で細々働き、
堅実に投資で増やしてFIREコースの方が夢がありましたね。

Photo by Link Hoang on Unsplash

労働は金のためと割り切って働き、投資で増やすという発想ができなかったのは
「何者か」になりたくでしょうがなかったから。
ニッチな職種でテッペン取ってみたかったから。

何者かになりたい願望と、人生リセット願望の交差点には、大きな金脈が流れており、
専門学校・資格ビジネス・自己啓発セミナーなどが手をこまねいてます。

やりがいがなく、スキルもつかない仕事には
大卒で都市部に住んでるなら、比較的簡単に就けますし、
そこで淡々と働き続けるのが苦痛でない人にとっては、
競争社会から一歩引いたアジールとも呼べます。

しかし、何者かになりたい願望と人生リセット願望がひとたび発動すると、
多大なる焦りが生じて極端な行動に出ると。

地方住みでこの焦りがある人は、都市部でゆるく働ける非正規雇用の仕事に就いて
サクッと収入上げてから、落ち着いて考え直してみることをおすすめしたいです。
少なくとも、奨学金のリスクを取ってまで学校通う必要はないかな、と。

「何者か」と「労働」と「お金」は必ずしもくっつける必要はないです。

今すでに運用できる資産があるなら、運用益で食えるように投資に全力ベットするのが今の時代には合っているような気がします。

専攻が芸術系なら逃げ道を確保するが無難

Photo by Antoine J. on Unsplash

友人Aと友人Bの面識はないのですが、偶然どちらも大学では芸術系を専攻しており、
ぶっちゃけアーティストとして食えなければ、教員免許取って教員になるぐらいしか
食う方法がなかった、というのがリアルなところでした。

なおかつ、コロナ禍において舞台系ってマジで食えなくなっているので、
手に職を付ける現実的な選択をできたのは、庶民としては賢明だったと思う。
(親の金で永遠に学生や研究生をやってられるセレブは除く)

余談になりますが、舞台系や音楽系のように「観客を必要とする」表現活動って、
オンラインでいくらでも娯楽が供給される時代において、
わざわざ会場に足を運んでくれるコアなファンを獲得するまでが無理ゲーすぎるので
個人でネットで配信できないコンテンツで勝負ってキツイよね。

友人A(言語聴覚士)の例

大学卒業後に非正規・正社員を転々とした後、専門学校に進学し資格取得。
今は施設勤務ですが、独立も視野に入れて資格を活かして横展開を狙っています。

「専門学校に進学したい」と聞いたのが、私が歯科技工士辞めた後だったので、
「相当なギャンブルだし、けっこうハイリスクだよ」と伝えはしましたが、
仕事内容が合っているらしく、人間関係以外はすこぶる自分に合ってる!と言っていたので彼女にとっては良き選択だったのでしょう。

友人Aの大学の同期は家庭が裕福な人が多く、ほぼ家事手伝い(自宅警備員)か、
稼げない表現活動に従事しているとかで、
「UberEats やるしかない人たち」と言っていました(;^ω^)

友人B(歯科衛生士)の例

リーマンショック後に就職浪人した組。
計画留年の後、ストレートで専門学校進学。

一時期は養成所に入って夢追い人もやりつつ、専門職のバイトができるので
普通のフリーターよりは高い時給で働いていた現実主義者。今は本業に専念。

都市部だと歯科医院はコンビニより多く、美容院並みに多いと言われるのは実際そうで、
彼女は何度か引っ越しをしているのですが、どこに行っても働き口には困らないと言っていました。

細かい手作業が多い仕事で、機械化が進みにくい分野とも言えるので
接客や細かい作業、女性が多い職場特有の雰囲気、ギャルが多い雰囲気に抵抗がなければ割と堅実な選択肢のひとつ。

まとめ

専門学校を使った再起に対して、ネガキャンみたいな書き方にもなってしまいましたが、
単に専門学校が悪いとか、歯科技工士はやめとけ言語聴覚士か歯科衛生士はいいよって単純な話じゃないのは分かっていただきたいです。

以下のような複数の要素も含めて検討する必要があります。

  • 就職した後に短期間で退職するリスクも想定した上で、コストを回収できるかどうか?
    ※POTスコア(技術を習得するコストが、その職種の平均賃金に見合うのか)計算をしてみることを強くおすすめします!
  • 奨学金を借りずに学費払えるかどうか?
  • 住んでいる場所が地方なのか都市部なのか?
  • 就職したらひとり暮らしをするか?実家暮らしをするか?
  • 親との関係性はどうか?
  • 専門学校に入る前の学歴でも就職しやすいか?(逆学歴ロンダリングになっているか?)

繰り返しになりますが、「何者か」と「労働」と「お金」は必ずしもくっつける必要はないです。
そもそも「何者か」っていつの間にかなっているもので、
目指してなるものでもないと思うんですよね。
みんながならないといけないものでもないし。

何者にもならない選択をするのが、ある意味FIREでもあると思ってます。

私は幾ばくかの運用できる資金をもって、運用益で食えるように投資に全力ベットする次第。

障害者雇用の給料安すぎ。だったらバリスタFIREと思ってみる

何者かになりたくて空回っていた頃のこと



marizawa

人生に飽きっぽくて、生きる歯ごたえを探しながら生きてます。 少ない労働と少ない消費で生き延びる 投資歴はFX1年ほど、積立NISAと積立仮想通貨1年目。 うつ病歴10年×発達障害(ASD)傾向あり 【Twitter】@85_tae 【YouTube】https://www.youtube.com/channel/UC27zMz4qKnEprx8ohPzVpGg?view_as=subscriber

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